予測市場で割安オッズを見つけるには、次の2つを比較します。
- 市場のインプライド確率(現在価格)
- あなたがデータから推定した真の確率
契約価格が $0.40(40%) なのに、あなたの推定が 55% なら、期待値がプラスの可能性があります。
これは「勝者当て」ではありません。群衆心理、低流動性、ニュース過剰反応で価格が歪んだ瞬間を捉える作業です。
要点: 確実性を買うのではなく、あなたの公正確率より安い「確率」を買う。
まずはこれ: 5ステップ
- 価格をインプライド確率に変換する
- 真の確率を推定する
- Expected Value(EV)を計算する
- 執行品質(スプレッド・板の厚み・出口)を確認する
- 事前にリスク量を決める
どれかが弱ければ見送りです。
予測市場とは
予測市場は、将来の出来事(選挙、金利、受賞、天候、マクロ指標など)に連動する契約を売買する市場です。
一般的なバイナリー契約は次で清算されます。
- $1.00(事象が発生)
- $0.00(事象が不発)
支払いが固定なので、価格がそのまま確率のシグナルになります。
- "Yes" が $0.60 なら 60%
- $0.60 で買って的中すれば $0.40 利益
- 外れれば $0.60 損失
「割安オッズ」とは何か
市場価格と真の確率の間に測定可能なズレがある状態です。
- 市場: 45%
- あなたの推定: 55%
- 価値ギャップ: 10ポイント
この差がエッジになり得ます。
例
ネガティブな投稿1つで「景気拡大」契約が $0.30(30%) まで下落。 しかし履歴データ分析では実際の確率は 50% 近い。
モデルが妥当なら、過剰反応によるミスプライスです。
ステップ1: インプライド確率
契約価格から
Probability (%) = Price x 100
- $0.72 -> 72%
10進オッズから
Probability = 1 / Decimal Odds
- 2.50 -> 40%
比較前に必ず同じ確率形式へ揃えてください。
ステップ2: 真の確率を推定
1. ベースレート
類似条件での過去発生頻度を起点にする。
2. モンテカルロ
1万回のシミュレーションで 6,500回 勝つなら推定は 65%。
3. 複数プラットフォーム比較
同一イベントでAが55%、Bが48%なら、少なくともどこかに歪みがあります。
ステップ3: EVを計算
EV = (P(win) x profit_if_win) - (P(loss) x loss_if_wrong)
例:
- 市場価格: $0.40
- あなたの推定: 55%
- 投入額: $100
- 的中時利益: $150
- 外れ時損失: $100
EV = (0.55 x 150) - (0.45 x 100) = +$37.50
EVがプラスでも単発勝利は保証されません。繰り返しで有利という意味です。
ステップ4: 執行品質を確認
- スプレッド: 広いとエッジが削れる
- 板の厚み: 薄いとスリッページ増加
- 出口: 途中でクローズできる流動性があるか
- タイミング: 重要指標前後は特に注意
ステップ5: リスク管理
- 情報劣位リスク: 市場があなたより先に織り込んでいる可能性
- 流動性リスク: 想定価格で手仕舞いできない可能性
- ブラックスワン: 低頻度イベントでモデルが崩れる
- プラットフォームリスク: 清算ルール不明瞭
実務ルール:
- 1トレードあたり上限を設定
- テーマ集中を避ける
- 最大損失と無効条件を事前定義
なぜ群衆は間違えるのか
- ヘッドラインへの過剰反応
- 本命バイアス
- 低流動性
- 感情トレード
裁定とミスプライスの違い
| 戦略 | 中核アイデア | リスク特性 |
|---|---|---|
| 裁定(Arbitrage) | 複数市場の価格差をロックする | ヘッジできれば相対的に低い |
| ミスプライス(Mispricing) | 自分の確率推定で市場に逆張りする | 方向性リスクが高い |
予測市場は効率的か
一般に流動性が高いほど効率的です。逆にニッチ市場では歪みが増え、機会も増えます。
取引前チェックリスト
- 真の確率推定に根拠があるか
- 手数料後も価格差が有意か
- EVはプラスか
- 入りと出の流動性があるか
- ポジションサイズは許容損失内か
5つ全てに「はい」と言えないなら、待つ方が合理的です。